MEMORY
STORY 5
「あなたが、やりたいことは、何ですか?」と問われたら、どのように答えますか?
やりたいことをすぐに答えられる人もいれば、そうでない人もいるでしょう。
また、やりたいことをいくつも答えられる人もいれば、
逆に時間が経っても答えが浮かばず、
「やりたくない」ことが浮かんでくる人もいるかもしれません。
私個人の体験ではありますが、
やりたいことを聞いても、それがスッと出てこない人の方が、多いように感じます。
その理由は、
子供の頃と比べて、大人になると、やりたいことをあまり尋ねられないから、ということもあるでしょうし、
そもそも、やりたいことを考える時間・暇もなく、目の前のことで忙しすぎるからかもしれません。
また人間は、生物なので、
生存本能から来る危機回避の意識が強く、
不安や焦りに襲われ、ネガティブなことに意識が向きやすいからかもしれません。
でも私たちは、誰しも、自分の人生を明るく、楽しいものにしたいはずです。
不安があるのは、ある意味、しょうがないことかもしれませんが、
その不安がある上で、自分の状態もポジティブでいたいはずです。
不安を超える。ワクワク・楽しい・好奇心あるものに目を向ける。
そのために、やりたいことがあるんだと思います。
では、やりたいことを見つけるためには、どうしたらいいのでしょうか?
様々な方法がありますが、
神田昌典さんは、やりたくないことから明確にした方が良い、と伝えています。
というのも、
やりたくないことは、やりたいことと比べ、考えやすいからです。
これは、前述した通り、私たちは、ネガティブなことに意識が向きやすいからだと思います。
また、やりたいことを先に考えると、
家族や会社からの期待、世間体に影響されることが多く、
自分がやりたいことだと、勘違いする場合もあるそうです。
やりたくないことを考え、やりたいことを考える。
そうすると、どちらを優先すべきか、という議論になりますが、
ここで注意したいのは、やりたくないことは、やらなくていい、と単純に考えすぎないことです。
というのも、やりたいことには、やりたくないことが多々含まれますし、
やりたくないことから学びを得ないと、また同じことが繰り返し起こります。
例えば、すごく威張る上司がいたとして、
その上司が嫌いだからといって、別の会社に移っても、また同じような上司がいるかもしれません。
そうしたら、また会社を変えるのか、ということになります。
そのような威張る上司に対して、どのような関わりをしたら良いのか、
その学びを得て、自分から関わり方を変えられないと、同じことが繰り返されます。
やりたくなくても、やらないといけないことはある。
でも、やりたくないことと、やりたいことが、いつもぶつかり合っていたら、
ずっとやりたくないことに引きずられますし、
それによって、ストレスが溜まり、エネルギーが削がれることになります。
やりたくないことであっても、そこから学びを得て、同じことは繰り返されないか?
これが、ポイントかもしれません。
このプロセスを通して、
やりたくないことと、やりたいことに決着をつけられたら、
やりたいことをミッション(使命)にまで、洗練させられると良いでしょう。
文字通り、自分の「命を使うもの」が見つかれば、
不安を乗り越え、そのための人生に熱中できる、と思います。
あなたの命が、あと半年しかなかったとしたら、あなたは、何をやりたいですか?
その半年の間、お金を一銭ももらえなくても、あなたがやりたいことは、何ですか?
この問いの答えが出たとき、あなたは、自分のミッションを見出せた、と言えるでしょう。
だからこそ、この問いは重要です。
でも一朝一夕で、自分のミッションを見出すことは難しい、と思うので、
まずは、この問いに答えるよりも、
この問いの答えが見つかったときの自分から、想像してみませんか?
自分のミッション(使命)を見出せたとしたら、
そのときのあなたは、今の自分と、どう変わっていると思いますか?
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【参考文献】
神田昌典「非常識な成功法則」, フォレスト出版, 2008年12月1日